俺様社長はウブな許婚を愛しすぎる
アレが和臣さんの通常運転じゃない。今に始まったことじゃない。……でも。

ふと頭に浮かぶのは田中さんの言葉。


『今の代表とこのままご結婚されて大川さんが本当に幸せになれるのか、一同僚として心配しております』

田中さんの言う通り私、今の和臣さんと結婚して幸せになれるのかな。

片想いしていた時は、和臣さんと恋人同士になれたら……ってずっと願っていた。けれど今は違う。

恋人同士になれてプロポーズまでされて、婚約者になれた。だからこそ不安になる。


和臣さんは私のことを大切にしてくれているけれど、決して一番ではない。さっきみたいに灯里ちゃんを優先することも、この先結婚してもあるのかも。

そう思うとなんか……モヤモヤというか、イライラするというか……。

そこまで想いを巡らせハッとし、慌てて立ち上がった。

「違う違う! どうして灯里ちゃんに対してイライラしちゃうのよ!」

そうだよ、灯里ちゃんにイライラするなんて間違っている。

なのに私ってば……!

自己嫌悪に陥り、悲しくなる。
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