繋いだ歌【完結】
部屋に入った僕はギターを置くと、今日公開しようと思っていた楽譜と歌詞の書かれた紙をビリビリに破り捨てた。
涙が次々に溢れる。
天才って、何。僕は天才なんかじゃない。
異常って何。才能って何。友達って何。
わからない。そんなのわからない。
怒りと悲しみと絶望と喪失感。
だけど、こんな時にだって僕の頭の中には音楽が流れていく。
それが悔しくて、また涙が溢れた。
そうか、僕は異常なのか。
そっか、おかしいよね。常に頭の中に音楽が流れているなんて。
破り捨てた紙を無造作に床に落とすと、僕はパソコンの前に座った。
浮かぶメロディーと順番に打ち込んで行く。
出来上がる時にはすっかり怒りはどこかに消え去っていた。
そしてその曲が皮肉なことに、ランキングに入り、再生回数を順調に増やしていき、僕の代表作となった。
それから一週間後のことだ。
放課後、一人で歩いていると突然校門を出た辺りで声をかけられた。