繋いだ歌【完結】
「何より私が貴方に曲を作って欲しいと思ったんです。貴方のファンになりました」
「……新條さん」
「どうでしょうか。これでもまだ貴方は首を縦に振ってくれませんか?」
まだ高校生の僕の為に、こうして時間を割いてくれている。
そして、ここまで熱心に僕の音楽を広めたいと言ってくれている。
もう、迷いなんてなかった。
「新條さん、これからよろしくお願いします」
「……それは、アルバムを出してもいいと受け取っていいのでしょうか」
「はい、そうです」
「……よかった」
ぽつりと呟き、新條さんは笑顔を見せた。
だけど、それも一瞬。
すぐに真面目な顔付きになると、一つ一つ説明をしてくれた。
一通り話し終えた後、僕は彼に尋ねた。
「僕のマネージャーってのは新條さんがなるんですよね?」
「え」
目を真ん丸にして彼は僕の顔を見る。
思ってもいなかったようで、暫く彼は固まっていた。