たぶん、トクベツちがいな恋。
珠理は、中学1年の時から、好きな人がいた。
違う学校の子。ケーキ屋をしている珠理のお店にやってきた女の子に一目惚れしたらしい。
でも、その子にはいずれ、彼氏ができて。珠理はずっと、ずっと片想いをしていた。時々、俺にもその子の話をしてくれた。
…そんな時、珠理に強く想いを伝える女の子が現れた。それが茶々だった。
『…尾張、茶々です』
目を泳がせながら、でも、最後はまっすぐに俺の方を見る茶々が、あの時はひどくキラキラして見えた。
丸いアーモンド型のはっきりとした目が、印象的だった。黒い瞳の中に俺の姿が映った時、心臓が何かに掴まれたような感覚がして。
サラサラのまっすぐな髪は、まるで触れたくなるくらい、きれいで。
…あの頃から、俺の中の気持ちは、なにひとつ変わってない。
俺だけが、変わってない。
『…あの子の名前、メゴちゃんって言うんだって。この間お店に来てた時に、カレシが呼んでた』
『………お前、そのこと、茶々ちゃんは知ってんの?』
『…知ってる。それでもいいから付き合ってくださいって言われたから、付き合ってる』
『……そ』
…ずっと、片想いをしていた珠理に、片想いをしていた茶々に、俺も片想いをしていた。
そして、その想いも、まだ変わっていないのは、きっと俺だけ。