たぶん、トクベツちがいな恋。
トントンと、ひたすら包丁を動かしていると、すぐ隣に影ができた。
動いているその黒い影に目線を移すと、さっきまで騒いでいたツインテールが視界に入る。
「…茶々。どうした」
トコトコと俺の隣までやってきて、タコを切っている手を見つめている。
…隣に立つと、やっぱり小ささが際立つな。つーか、近い。変に緊張する。
「…別に。向こうの準備が終わって、近海だけ働いてるから見にきた」
「はは、なるほどね。いいよ、みんなと話してなよ。すぐに終わるから」
「…」
………?
「…いーの。だってみんな一人暮らしの話で盛り上がってるし。茶々は分かんないから、ついていけないんだもん」
だから近海の見てる、と、茶々は口を尖らせながら言った。
…そうか。1つしか歳は変わらないのに、高校生と大学生ってだけで、こんなにも話題の内容も変わるのか。
ま、俺も一人暮らししてるから、アイツらの話に混じることはできるんだろうけど。
コイツは、そうともいかないよな。
「…はーん。それで、寂しがりやを発動して俺のとこに来たってワケね」
「なっ…!寂しがりやじゃない!」
「ふ、はいはい」
…でも、分かるよ。茶々の立場を想像したら、少し分かる。
きっと、自分だけ置いていかれそうな感覚なんだ。
いくら歳下で可愛がられたって、茶々ちゃんって名前を呼んでもらえたって。
コイツなりに、寂しいものは寂しいのであって。
そんなの、逃げたくもなるよな。