たぶん、トクベツちがいな恋。


「ほら、タコも青ネギも切れたから。これ向こうに持って行ってくれる?」


小言を言いながらも、あれからもずっと俺の隣にいて包丁の動きを見ていた茶々。材料が入った小皿を渡すと、渋々リビングの方へ戻って行った。

茶々がリビングに戻ると、みんなが茶々の名前を呼ぶ。「茶々ちゃんありがとう」、「茶々ちゃん、近海くんとこにいたんだね」。

茶々は多分、自分が俺たちの中心にいるんだってのをあまり分かっていない。俺たちが、どれだけ茶々のことを可愛がってるのか、気づいていない。


ソースとマヨネーズと青海苔を用意して、俺も茶々の後を追う。めごちゃんと俺の間にちょこんと座った茶々は、やっぱりいつもより静かだ。

どんなことを考えているのかは、よく分からない。



「近海くん、下準備ありがとうね! 材料もそろったことだし、そろそろ始めちゃう?」

「おう。いいよ。とりあえず、乾杯から行きますか」


瀬名ちゃんの声で、珠理の19歳のパーティーが開始。みんなでジュースが入ったコップを持って、上に持ち上げる。

…久しぶりの、パーティーだ。


「珠理、誕生日おめでとう!」

「きゃー!ありがとう〜〜!」

「おめでとう〜!」


コツン、とグラスをぶつけ合って。カラン、と氷が泳ぐ音がして。


その空間は、高校の時と変わらない、俺たちのいつも通りの空気に包まれていった。


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