たぶん、トクベツちがいな恋。


…もう、何回目になるのだろうか。

俺の親友の、珠理の、生まれた日をみんなで祝う、大切な日。

去年は珠理がアメリカにいたからできなかったけど、それ以外は欠かさず行ってきた。


小学生の中学年くらいの時に珠理と出会って、仲良くなって、その時くらいかな。うちの家族も交えて、珠理の生まれた日を祝った。


それが、時を経て、大学生になった今は、珠理にできた大切な仲間たちを呼んで行われている。



「近海のママのピザ、やっぱり超おいしいわ〜!生地もモチモチで、最高!」

「よかったな。母さんも会いたがってたから、今度また顔出せよ」

「もっちろん〜〜!いつでも行くわ!」



…俺の、大切なもの。それは挙げだしたらキリがないけど、俺の力をもって、生涯守っていきたいって思うのは、珠理と茶々だけだ。


俺は、珠理が笑ってるならそれでいい。
茶々が、しあわせならそれでいい。


そんなことを、ずっと思いながら生きてきた。



「ねぇ、オーミ!みんなにもらったプレゼントと一緒に、記念写真をとって欲しいの!」

「あーはいはい。スマホ貸せ」

「ありがとう〜〜!」



珠理は、ずっとニコニコしている。笑っている。でも、その笑顔がずっと昔からあるものではないことを、俺は知っている。

小さい頃から、さまざまな困難を乗り越えてきた奴だから、今こんなに優しく笑えるんだってことを、知ってる。

みんなを惹きつける笑顔も、やさしさも、あたたかさも。


昔は、そんなもの、無いに等しかった。


珠理の心は冷たかったし、言葉もないし、笑顔も見られなかった。


そんな珠理を、俺はずっと、なぜか放っておけないでいたんだ。



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