たぶん、トクベツちがいな恋。
別に遊び呆けてたわけじゃない。叶うわけないと思っていたから、拗ねていただけなんだ。
確かに色んな“ オネーサン ” に相手してもらっていたことはあったけど、それも高校1年の時にやめた。馬鹿らしくなったから。でもそれは、目の前のオネェも一緒だ。
「そうやって軽々しく付き合ってたアタシたちを見てるから、茶々はちょっと信頼しきれないんでしょうね」
「…そーだろ。ちょっと手が当たっただけでもぶっ叩かれるんだから」
「…ハハハ…、そうよね…」
珠理が苦い顔をした。昔の黒歴史を思い出しているのだと思う。好きな人とうまくいかないからって、意味も愛もない恋愛に逃げていたなんて、我ながら子どもだったと思う。
でも、目の前のオネェは、ちゃんと茶々と付き合っていた時は、茶々のことを大事にしていたと思う。コイツなりに。色々と、気づいていないことは多すぎたけど。
「…お前は、なんで茶々と別れたんだよ」
気がついたら、こんな質問をしてしまっていた。別に深い意味があったわけでもないし、説教を垂れるつもりもなかった。自然と、口からこぼれだしていた。
「あのまま付き合ってたら、黒歴史を作ることもなかったじゃん。お前が俺と遊びほうけてたのは、茶々と別れてからだったでしょ」
別に、どんな理由があってもいいけど。俺は、それで泣いてきた茶々のことも、たくさん見てきたから。
「…別れた理由は、1つしかないわよ。めごのことが忘れられなかったから。そんな気持ちを持ったまま、茶々と付き合うのは、やっぱり申し訳なかった」
「…」
思ったよりも、サラリと教えてくれた。もっと、濁されるかと思った。でも、きっとウソをついているわけでもない。
「茶々は、ちゃんと真剣にアタシにぶつかってくれた子だったからね。そんな子を、中途半端な気持ちでそばに置いとけないと思ったの。それだけよ」
「……ふーん…」
きっと、本当のことなんだろうな。
珠理が茶々のことを、嫌いじゃないことはちゃんと分かっていたから。大切にしていることは、ちゃんと伝わっていたから。
そして、今も、1人の大事な仲間として、見ているということも。