たぶん、トクベツちがいな恋。
2年前の、珠理の17歳の誕生日のことだ。確かに当時、茶々は俺の家で寝ていた。珠理はその時のことを思い出してそんなことを言っているんだ。
でもそれは、俺と珠理とめごちゃんの3人で台所に立って話していた時のことだ。俺は茶々のそばにはいなかった。
「懐かしいわねぇ。あの時、近海ってばお姫様抱っこをして茶々を部屋に連れてってあげたのよね。覚えてる?」
「…まぁ、うっすら」
…嘘をついた。「うっすら」なわけがない。ちゃんとはっきり覚えてる。茶々を抱き上げるのだって、緊張しないわけがないのだから。
当時のことを思い出して、たまらなくなって下を向いた。
部屋に上がるまでの、茶々の驚くほど軽かった身体とか、触れたサラサラの髪とか。その夜は忘れられなくてしばらく眠れなかった。
俺って、意外と変態だったんだなって反省したんだった。
「近海、あの時も茶々のこと好きだったんでしょう?」
「…だったらなんだよ。まじでやめろ…」
あの時もってなんだよ。俺はお前がアイツを俺に紹介した時から好きだったっつの。
ずっと好きな人が、俺が連れてったとはいえ、自分のベッドで横になっているのにひどく緊張した。別に、女との経験がなかったわけではないのに、心臓が壊れるんじゃないかってくらい、ドキドキした。
自分が、ものすごく気持ち悪い人間に思えた。
…そう思うと、高校生のころから、何にも変わってないんだな、俺は。
相変わらず保守的。ビビり。分かってんだよ。