たぶん、トクベツちがいな恋。
情けなくて、珠理から目をそらした。なんつーか、珠理の元カノのことが今でも好きってことを、本人に知られているこの状況が何なんだよって感じ。
別に隠しているわけではないけど、負けた気分。
心臓の奥からこみあげてくるジワジワとした嫌な感じを、左手を押し当てて閉じ込めた。
正直、今日はもう珠理の前から去ろうかと思った。そんな時だった。
「…、」
「ん?近海、スマホ鳴ってない?」
右手に握りしめていたスマホが静かに震えていた。
ほとんど通話をしないから、バイブ音がするだけでも驚きなのに。
「…茶々…?」
画面に表示されたその文字に、心臓が跳ねる。
「…はい、もしもし」
冷静を装っているのに、気持ちは一瞬で舞い上がって。
『…もしもし、オーミ?』
その声を聴いて、やっぱり一瞬で、心臓をつかまれてしまう。
1週間ぶりに感じる、茶々の存在。別に寂しいわけではないのに、なんだろう、この気持ちは。
「おう、どうした」
『ううん、あのね…、今日、この間受けた模試の結果が返ってきたんだけど』
「ん、どうだった?」
『…ランク、1つ上がったよ』
「え…っ!?まじで!?すげーじゃん!!」
少し、むすっとした声。いつもと同じ、俺と話す時の声。それでも、その中に嬉しそうな色が滲む。