和泉くんの考えてることはわからない。



「シオちゃーん。お待たせ」

「あ、お婆ちゃん」



そのタイミングで、お婆ちゃんが待合室にやってきた。


一緒にいた久野さんを見て、「お友達?」と私に聞いてくる。



お友達、なのかなぁ。


でも、お友達になりたいな。



チラッと久野さんの顔を見ると、久野さんもそれをわかってくれたみたいでにこりと微笑まれる。



「うん、友達。雪奈ちゃん」


思い切ってお婆ちゃんにそう紹介してみれば、彼女は照れたように、そして嬉しそうに笑った。



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