和泉くんの考えてることはわからない。
***
「で、ユキと友達になったわけ?」
「うんっ!」
「はぁ…。なんでそうなるんだよ」
隣にいる蒼くんに病院でのことを話すと、何故か呆れられた。
今日は待ちに待った修学旅行。
クラス委員である私と蒼くんは、移動のバスで1番前に隣同士で座っている。
名目はクラス委員だから、というこの席だけど、クラスのみんなから公認のカップルと化してしまった今、本来のこの席の意味は定かではない。
「私、雪奈ちゃんのこと全然知らなかった」
「だって言ってないし」
「ずっとそばにいたんでしょ?心配してって雪奈ちゃんは言ってたけど、本当の理由は蒼くんが彼女のことが好きだったからだよね?」
「……それ俺の口から聞いてどうしたいの」
つい深入りしてしまった私の質問に、蒼くんがため息混じりに質問返しをしてくる。