和泉くんの考えてることはわからない。
口だけの脅しだというのがわかっているからこそ、早苗は躊躇なく出て行ったんだろう。
────コンコン
「はーい」
早苗が出て行ってしばらくすると、ドアをノックする音が聞こえた。
早苗め。さては他のクラスの先生に見つかって戻ってきたな?
津田先生が見回りをサボったとしても、他の先生は当然見回りしてるよね。
「おかえり………って、え!?」
クスッと笑いながら早苗を出迎えようとドアを開けたら、そこには全く別の人が立っていた。
「ただいまって言ったほうがいいわけ?」
「あ、蒼くん……」