和泉くんの考えてることはわからない。



口だけの脅しだというのがわかっているからこそ、早苗は躊躇なく出て行ったんだろう。



────コンコン

「はーい」


早苗が出て行ってしばらくすると、ドアをノックする音が聞こえた。




早苗め。さては他のクラスの先生に見つかって戻ってきたな?


津田先生が見回りをサボったとしても、他の先生は当然見回りしてるよね。




「おかえり………って、え!?」


クスッと笑いながら早苗を出迎えようとドアを開けたら、そこには全く別の人が立っていた。



「ただいまって言ったほうがいいわけ?」

「あ、蒼くん……」



< 321 / 326 >

この作品をシェア

pagetop