和泉くんの考えてることはわからない。



それは、紛れもなく私の大好きな人。



温泉に入ったらしくいつもより垂れた髪が、妙にドキッとさせる。



「入るよ」

「ちょ…、え!?」


つい見惚れていた隙に、蒼くんは強引に部屋の中に入ってきた。


慌てて止めようとしても、もう遅い。




「蒼くん、どうしてここに…?」

「わかるでしょ。俺の部屋に濱口が来たから」

「あ…」


蒼くんのその説明には、すぐさま納得した。



そうだ。蒼くんと大原くんは同じ部屋。


つまりは、蒼くんはなんというか……お邪魔ということになる。



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