天然お姫様は最強総長様!
相も変わらずその場で少し固まっているりょーを少し強めの力で叩いて、上の階に上がる。
「……遅かったな。何かあったか?」
「んーん。別に何も無いよ?」
強いて言うならりょーが早く行動してくれなかったって事だけど、これは言わないでおこう。
りょーと優樹菜ちゃんが二人並んで固まっているのを見て、少し笑っちゃった。
そんなに緊張する事じゃ無いのに。
「カナ」
少しだけうるさい下の階を見てカナを動かす。
「……お前ら、静かにしろ!」
カナの一声で下の階はすぐに静かになった。誰かの時計の音が聞こえてくるくらいにね。
「皆、今日はここに新しい仲間が増える!」
一歩前に出て、少し大きめの声を出す。
そしたら、さっきまでの静寂だった下の階が一気にうるさくなった。
「それで、だ……」
だけど私がまた声を出せばまた一気に静寂に包まれた。
……毎度毎度思うけど、忙しい奴等だな……。