“あなたを愛しています”






司君の甘い声を、温かい体温を思い出してしまいそうで、彼を見ることなんて出来なかった。

それでも必死に仕事だけはこなした。

そんな中、当の司君はさっきの出来事なんてなかったかのように、楽しく披露宴に参加している。





「司ー。お前マジで何やってるんだ?

社長か?ヤクザか?」



友達に聞かれ、



「えーと……」



困った顔ではぐらかす司君。




「まー、ヤクザじゃないことは確かだよぉ。

そんなことより、今日は楽しもうよぉ〜」





司君はまたまたシャンパングラスを振り回したりするものだから、割れないかと冷や冷やした。

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