“あなたを愛しています”





改めて彼を見る。

整ったその顔を見る限りでは、私よりも年下だろう。

だから、



「司君」



そう呼んでみた。

その瞬間、顔がかーっと熱を持つ。

まるで、吉川さんの名を呼んだ時みたいに。





これってまさか……恋?

……なはずないよね。

そんなはず、絶対にない!




必死に自分に言い聞かせる。

慌てる私に、



「わー。花奈ちゃん、ようやく心を開いてくれたんですねぇ」



彼は太陽のような笑顔で告げ、さらに顔が熱くなってしまった。




……ありえない、ありえないから!!

私はきっと、動揺しているんだ。

変人のフリーターだと思っていた人が、変人の天才だったから!


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