“あなたを愛しています”





どぎまぎする私に、



「それで花奈ちゃん、今日は仕事後時間あるの?」



彼は聞く。

時間なんてないし、今日は変人のせいで睡眠不足だ。

だけど……

頭の中で閃いた。

きっと、司君なら知っているだろう。

佐藤さんに紹介出来る、安くてお洒落な花屋を。



だから……



「時間、あります」



答えていた。

すると、嬉しそうに顔を歪める司君。

その顔に、不覚にも胸が甘い音を立ててしまった。




ありえない……

ありえないから!!

彼と会う約束をしたのも、佐藤さんのためだから!!



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