“あなたを愛しています”





「もしかして、今日もデート?」




その図星の言葉に、とうとう真っ赤になって俯いてしまった。




デートと言っても、罪滅ぼしのデートだ。

パスポート探しに割いた時間と、破れたコートを弁償してもらわないと。

それに……佐藤さんのためだから。





「花奈ちゃん、デートに行くなら、ちゃんと化粧直しなよ?

昨日みたいに制服で行っちゃダメだよ?」



「大丈夫です。

デートじゃなくて、ただの用事ですから」




そう言い訳しながらも、胸が痛んだ。



あー……もう!

私、どうしてしまったの!?

私の好きな人は、吉川さんだよね!?


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