“あなたを愛しています”






仕事中も、司君のことを考えてしまった。

スーツ姿かっこよかったなとか、装花綺麗だったなとか思って、慌てて雑念を打ち払った。

それに……もし、百歩譲って私が司君を好きだとしても、司君は私なんかに興味はないだろう。

ただ、罪滅ぼしをしたいだけだろう。

そんなこと、百も承知だった。

不毛な恋をしてきた私が、有名フラワーデザイナーの司君に惚れる?

それはもう、狂気の沙汰だろう。




分かっていることなのに……




早く仕事を切り上げて、急いで家に帰った。

メイクをし直し、黒い制服を脱ぐ。

そして、お気に入りのセーターとスカートを身につけた。



……あれ?

このスカート、短すぎる?

こっちのパンツのほうがいい?

でも、可愛くないよ。


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