“あなたを愛しています”




改めて司君を見る。

大きな瞳に上品な口元。

そして、肌もきめ細かで綺麗だ。

童顔も手伝って、とても三十歳には見えない。





「す……すみません。

てっきり年下かと……」




思わず敬語に戻ってしまった私を見て、彼はまた楽しそうに笑った。




「うんうん、そうだと思ったよぉ。

でも俺、精神年齢は永遠の二十歳だし!」





あー、また馬鹿なこと言い始めた。

少し前までは腹立たしかったその戯言さえ、胸をときめかせる。

私は頰を染めて、カクテルを一口飲んだ。

甘くて美味しいカクテルだが、意外とアルコールの度数が高いのかもしれない。

熱い頭がさらに熱を持った。



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