“あなたを愛しています”





そんな私の気持ちなんて、司君が知るはずもない。




「それより、怪我はない?

花奈ちゃんの身体のほうが心配やね……」




ここまで口にして、はっと我に返る司君。

それでわざとらしく咳払いして、



「花奈ちゃんの身体が心配だよ」



言いにくそうに告げた。




そんな恥ずかしそうな司君さえツボだ。

いや、恥ずかしそうにしながらも、もっと関西弁で話してくれれば良かったのに。

司君の話す関西弁が、ここまで威力があるとは思わなかった。

自分が変態なのではないかと思うほど、その言葉を聞いたら悶えてしまうのだった。



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