ほんもの。


年末の予定を聞くのを忘れた。
と、思い出したのは昼休憩。

忘年会の紙を見て思い出した。

「月白、参加するの?」

彼氏と絶賛ラブラブな伊勢先輩は参加しないらしい。

「いえ、実家に帰るので」

「またお見合いさせられたりして?」

「まさか」

笑ったけれど、笑えない冗談だ。この前も私は高級焼き菓子につられて実家にふらふらと戻った。

今回もカニで……?
いやまさか。

「矢敷は参加するんだね」

「いちおう、顔だけは出しておこうかなと」

矢敷さんが冷静に答えた。確かに、出世というか男性はもしかしたらそういう付き合いも大事なのかもしれない。

< 133 / 235 >

この作品をシェア

pagetop