ほんもの。
あれ、他人に興味無かったんじゃなかったっけ。
「お疲れさまー」
「お疲れさまでした」
先輩と別れて、電車に乗る。
電車の窓に自分の顔が映った。そんなに変わってない。全然変わってない、よね?
ひとつの恋が終わったのに、悲しい顔ひとつ出来ないなんて。
安藤のこと、本当に言える身分じゃないな。
三島さんとは、今週末会うことになった。勿論別れの話をする為に。
奥さんは来ないらしい。分かんないな、遠くから見ているかもしれない。
この前だって、多分つけてきたのだろう。お腹に赤ちゃんがいるのに。