ほんもの。

あれ、他人に興味無かったんじゃなかったっけ。

「お疲れさまー」

「お疲れさまでした」

先輩と別れて、電車に乗る。
電車の窓に自分の顔が映った。そんなに変わってない。全然変わってない、よね?

ひとつの恋が終わったのに、悲しい顔ひとつ出来ないなんて。

安藤のこと、本当に言える身分じゃないな。

三島さんとは、今週末会うことになった。勿論別れの話をする為に。
奥さんは来ないらしい。分かんないな、遠くから見ているかもしれない。

この前だって、多分つけてきたのだろう。お腹に赤ちゃんがいるのに。

< 36 / 235 >

この作品をシェア

pagetop