白馬に乗った上司様!?
ランチタイムの喧騒
私達が働くリツメイシャは新興の電機メーカーだ。
日本の四大メーカーに知名度では遠く及ばないけれど、白物家電を中心に展開して一定のシェアを持っている業界では中堅企業。
同業他社より高めの給料としっかりした福利厚生は勿論、会社の歴史が浅いぶん平均年齢が若くて挑戦的な経営姿勢は学生人気も高い。

だから自分なんかが入社出来ると決まった時は本当に嬉しかった。
少しでも会社の役に立とう!と地味ながらコツコツと頑張って7年、今でもこの会社で働く事が好きだ。

世間的にはお局様と呼ばれる年齢になったけれど、同じ部署の人が気持ち良く働くアシストを今日もひっそり地味にこなしている。



「それは嫌じゃないんだけどなー‥‥」

コンビニで買ってきたサンドイッチを持ちながら齧る事もなく、視線はPCの画面のまま。なかなかはかどらない仕事に、流石に愚痴が出てきた。

まず自分の通常業務をこなしてから中村さんに頼まれた仕事にとりかかったのだけど、予想以上に手がかかっている。
ただ整理すれば良いと思っていたデータはいちいち照らし合わせて確認が必要だったし、不正確だった数字は他から引っ張って来なければならない。
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