銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
クレアが期待の眼差しで私を見る。
「ないわよ。この傷が治るのにもっとかかるって言われたくらい」
だいたい一緒にベッドで寝ているのに、彼は私にキス以上のことはしてこない。
『身体だけ繋がるのは簡単だが……』なんて言ってたけど、彼からしたら私なんか子供に見えて抱く気にもなれないのかも……。
「……ところでその箱は何?」
ジェイのことにはもう触れて欲しくなくて、彼女が持っている箱に目を向けた。
「ああ、そうでした!」
クレアは嬉々とした顔で箱の蓋をそっと開けると、何に入っている真紅のドレスを私に見せる。
「ジェイ様からですよ。これを今夜着るようにって」
その高級な絹をふんだんに使ったドレスに目を奪われる。
レースの飾りがついていない上品で、それでいて魅惑的なドレスだった。
☆
「ないわよ。この傷が治るのにもっとかかるって言われたくらい」
だいたい一緒にベッドで寝ているのに、彼は私にキス以上のことはしてこない。
『身体だけ繋がるのは簡単だが……』なんて言ってたけど、彼からしたら私なんか子供に見えて抱く気にもなれないのかも……。
「……ところでその箱は何?」
ジェイのことにはもう触れて欲しくなくて、彼女が持っている箱に目を向けた。
「ああ、そうでした!」
クレアは嬉々とした顔で箱の蓋をそっと開けると、何に入っている真紅のドレスを私に見せる。
「ジェイ様からですよ。これを今夜着るようにって」
その高級な絹をふんだんに使ったドレスに目を奪われる。
レースの飾りがついていない上品で、それでいて魅惑的なドレスだった。
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