銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
「昨日婚約したばかりなのに、気が早すぎない?」

「早くなんてありませんよ」

クレアはギロッと睨む。

「そんな怖い目で見ないで。それよりも、聞きたいことがあるの。最近ずっとギリアンを手伝っていたんだもの。あなた、ジェイが王太子ってこと知っていたでしょう?」

腕を組んで今度は私がクレアをじっと見据えれば、彼女は狼狽えた。

「そ……それは……」

この反応。

知っていたわね。

「クレアはずっと私の味方だと思っていたのに」

わざとがっかりしてみせると、クレアは慌てて私の手を掴んだ。

「ジェイ様に口止めされていたんです。『王太子という目で見て欲しくないから』と。あの方と以前からお知り合いというのは本当ですか?」

クレアの問いに小さく頷く。

「ええ。昔……彼を助けたことがあるの」

詳しくは説明しなかった。
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