銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
彼と出会った時のことを言えば、私の両親が亡くなったあの悪夢の様な日のことを思い出させてしまう。

クレアに悲しい顔はさせたくない。

「きっと運命だったんですよ!」

クレアは自分のことのようにはしゃぐ。

私のことを喜んでくれるのは嬉しい。

でも……。

「私のことはもういいわ。今度はあなたの番よ」

優しく微笑んで言えば、彼女はブンブンと頭を振った。

「私はいいんですよ。セシル様が幸せならそれで」

「私が全然嬉しくないわ。幸せになる権利は誰にだってある。最近、あなたの口から出てくるのはギリアンの名前ばっかりだけど、彼はどうなの?」

私の追及にクレアは激しく動揺する。

「な、な、何を言うんですか!ギリアン様は宰相ですよ!」

この慌てよう。

やっぱり彼のことが好きなのね。

「でも……身分で人を好きになるわけじゃないでしょう?」

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