銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
「公爵が悪いことをしたのなら、きっと罰が下るわ。もうあの忌まわしいオークションのことは忘れた方がいいわよ」

「ええ。そうね。あんなクズみたいな連中のことは忘れましょう」

シャーロットはさらっと毒を吐くと、明るく笑って見せた。

彼女って……元々こういう性格なのだろうか?

何だろう?

嫌な……感じがする。

“ここから早く立ち去れ”と私の本能が告げるのだ。

「……ごめんなさい。私……昨日の疲れが残っているみたいで、これで……」

そう言い訳して椅子から立ち上がれば、身体がふらついた。

テーブルに手をついて身体を支えるが、力が抜けて床に倒れ込む。

「薬が効いたのね」

シャーロットの冷たい声が耳に届いた。

「……シャーロ……ット……?」

力を振り絞って顔を上げれば、目の前に彼女がいて私の顔を楽しげに覗き込む。
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