銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
やっぱりヒューゴだわ。

「それを……私に?」

躊躇いながら手を伸ばせば、ヒューゴはバラの花を差し出した。

「ありがとう」

バラを受け取って礼を言うと、ヒューゴはすぐに飛び立っていく。

バラからはとてもいい香りがした。

その香りに緊張が解け、心が癒される。

きっとジェイが、ヒューゴに持たせたのだろう。

私がひとりで不安になってるんじゃないかって思ったのかもしれない。

それからずっと月を眺めていたら、シャーロットとブルックとかいう彼女のメイドが現れた。

バレるとマズイと思い、咄嗟にドレスの下にバラを隠す。

シャーロットは南京錠を外し、私に冷たく声をかけた。

「さあ、出て」

言われるまま牢を出て、階段を下りる彼女について行く。

行き着いた場所は、浴場だった。
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