銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
これからサーロンのところに行くのかと思うと、身体が強張る。

しかも、この夜着……薄くて、肌が透けて見えた。

ジェイはいつ助けに来てくれるのだろう?

「これをあなたにあげるわ」

シャーロットの声でハッとする。

彼女は私に短剣を差し出した。

え?

なぜ、武器になるものを私に渡すのかわからない。

「どうして短剣を?」

シャーロットに問いかければ、彼女は少しムッとした顔で答えた。

「私はサーロン様が好きなのよ。あなたにサーロン様を取られたくないの。だから、この剣をあげるわ。それで、サーロン様に抱かれる前に死になさい」

躊躇いながら短剣を手に取る私に、彼女は嘲笑うかのように言う。

「あなただって王太子以外の男に抱かれたくはないでしょう?感謝しなさい、セシル。あなたに自分で死ぬ権利を与えてあげたのよ」

「……そうね」

でも……私は死ぬ気はない。
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