銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
ここから逃げる。

反論はせず、従順に従うフリをして、短剣を服の下に隠した。

「じゃあ、サーロン様のところへ行くわよ」

シャーロットに連れられ、今度は下にランプがところどころ置かれた廊下を渡り、先程の牢への階段とは別の階段を登ってサーロンの元へ行く。

足取りは重い。

部屋の前に護衛がふたり立っていて、そこがサーロンの部屋だとすぐにわかった。

部屋のすぐ近くは海で、波の音がよく聞こえる。

シャーロットは、少し緊張した面持ちで部屋をノックした。

「サーロン様、セシルを連れて参りました」

「ああ」

サーロンのの太い声が聞こえて、ドアを静かに開けるシャーロット。

部屋には大きなベッドがあって、そのベッドの上で彼はお酒を飲んでいた。

宴の時からずっと飲んでいたせいか、その顔は真っ赤だ。

「お前は下がっていい」
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