銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
サーロンがそう言うと、彼女は唇を噛み、私を通すとドアを閉める。

サーロンとふたりきりにされた途端、身体がブルブルと震えた。

落ち着け……。落ち着くのよ。

剣を持っていることを悟られてはいけない。

必ずジェイの元に戻る。

自分に言い聞かせると、なるだけ平静を装った。

「さあ、こっちに来い」

サーロンが舐め回すように私を見る。

きっと、服の上から私の身体を見ているのだろう。

……なんて嫌らしい男なの。

思わず手で胸を隠した。

「隠すな!楽しんでるんだ。見せろ!」

サーロンの要求に、仕方なく手を下に下ろす。

怖いし……不快だし……出来れば、今ドアを開けて逃げ出したい。

だが、部屋の外には護衛がいてすぐに捕まってしまう。
ドッドッドッと激しくなる鼓動。

「何をボーッとしている。こっちに来いと言ったんだ!」
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