銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
サーロンが苛立って声を荒げる。

その怒声に身体がビクッとなった。

黙ってベッドに近づけば、サーロンの手が伸びてきて、私をベッドに引き上げた。

腕を乱暴に引かれ、ズキッと痛みが走る。

「うっ!」と声を出し、顔をしかめて痛みを堪える。

だが、サーロンはそんな私を気遣うことなく、顔を近づけてきた。

強い酒の臭いに顔が歪む。

「そんな固くなるな。俺はしばらく女を抱いていないんだ。楽しませろ」

深緑の目が、淫靡な光を放つ。

その目を見てゾクッとした。

だが、ここで怯んではいけない。

この男は私の両親を死に追いやった男。

絶対に言いなりになんてなるものですか!

キッとサーロンを睨みつければ、彼は嬉しそうに笑った。

「そうだ。その目を見ると、ゾクゾクする」


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