銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
バランスを崩してスーッと床を滑り、何か壁にぶつかって倒れ込む。

「チッ、大事な商品なんだ。売る前から怪我なんかするなよ」

男のは悪態を付きながら、私の目隠しを外す。だが、腕のロープは取ってはくれなかった。

部屋の中には、私の他にも綺麗なドレスを着た令嬢が三人いて驚いた。

それに、男の発言が気になる。

男がドアの外に消えるとガチャと鍵を閉める音がして、私の横にいる栗毛の女の子が小声で話しかけてきた。

「私達、……今夜売られてしまうのよ」

目に涙を溜める彼女。

「あなたも国王陛下の命で呼ばれたの?」

優しく問い掛ければ、彼女はコクリと頷き自己紹介する。

「ええ。私はシャーロット。父は侯爵なの。宮殿に向かう途中、乗っていた馬車が襲われて……。他のふたりもそうなのよ」
< 38 / 263 >

この作品をシェア

pagetop