銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
「私はエミリー。父は男爵で、私も馬車で一週間かけて王都に入ったところを襲われたわ」

自分も彼女にここに連れてこられた経緯を簡単に説明した。

つまり……ここにいるのは、王太子殿下のお妃候補ということか。

ただの偶然ではない。

最初から私達を狙っていたのだろう。

女の子達は自分の身を嘆いてすすり泣く。

私がエミリー様の身代わりで良かった。

彼女もこんな風に誘拐されたら、きっと恐怖で泣いたに違いない。

どうにかしてここから逃げる方法はないだろうか。

見たところ、大きな布袋がいくつも置いてあるし、壺もあるし……ここは食料庫?

みんな腕を縛られていて、自由には動けない。

ドアには鍵がかかっているようだし、出るのは無理だ。
窓だって、天井近くに小さいのがひとつあるだけ。

あんな場所、手は届かない。

じっと売られるのを待つしかないの?
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