銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
仮面をつけた身なりのいい男性達が百人程いて、私達が中に入ると、一斉にこちらを見た。

「おおー、これはいい。私は栗毛の女にしようか」

「俺は黒髪の女だな」

「金髪の女もなかなかふくよかでいい」

男達の値踏みに私達は怖気付いていた。

普通の令嬢よりは過酷な経験をしてきた私でさえ、男達の言葉にゾッとする。

本当にこの寺院で売買が行われるというのだろうか?
私達令嬢は国王の勅命で集められた。

これは……全部国王が企んだことなの?

だが、白い法衣を身に纏った大司教が現れ、「今回は主催するだけではなく、私も参加しようか」などと聖職者ならぬ発言をする。

大司教が首謀者ってこと?

驚きを隠せなかった。

この世に神なんていないのかもしれない。

だったら、何を救いに生きていけばいいのだろう。

正面の主祭壇が蝋燭の炎で明るくなり、「それではオークションを始める」と大司教が宣言する。
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