銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
神を祀る神聖な場所でオークションとはなんという皮肉。

まるで悪夢だ。

まず栗毛のシャーロットが連れて行かれ、競りが始まった。

「こちらはフィッツジェラルド侯爵家の令嬢。百金貨からスタートします」

私を連れてきた男がマスクの男達に向かって言う。

「百十」

「百五十」

「百八十」

シャーロットを競り落とそうと、マスクをした男達は必死に声を張り上げる。

壇上で青ざめる彼女。

それ以上聞いていられなくて、下着の下に忍ばせた短剣をギュッと握る。

そして、素早く動いて大司教の背後に回ると、その首に短剣を突きつけた。

「そこまでよ。大司教の命が欲しかったら、私達を解放しなさい!私達に危害を加えれば、大司教の命はないわ!」

私の反乱にざわめく男達。

これはただの脅しだ。
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