銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
髪は金髪で腰まであって、瞳は柘榴のように綺麗な赤い色をしていた。

あの時は塔から逃げ出し、仲間と合流しようとしたところを兵に見つかって捕まりそうになった。

もし捕まっていたら命はなかっただろう。

咄嗟にあの屋敷に忍びこんだのは、あそこがレノックス公爵のものだと知っていたからだ。

彼は父の従弟で父と親しかったし、俺を匿ってくれると思った。

実際匿ってくれたのはその娘だったが……。

確かセシルと言っていたな。

今……彼女はどこにいるのか。

レノックス公爵はサーロンによって処刑され、その夫人は屋敷を燃やして焼身自殺したと聞いている。

娘は行方不明のまま……。

俺もずっと探しているが手がかりはつかめていない。

生きているのか、死んでいるのか……。

生きているのであれば、また会いたい。

公爵が殺され、さぞかし不憫な思いをしているだろう。
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