銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
彼はこの宮殿が気に入らないのか、淡々とした口調で言う。

ジェイの説明にちょっと納得した。

確かに前の国王は浪費家だった。

宮殿を立て直すには莫大な費用がかかるし、民衆にこれ以上税を増やして負担をかけるわけにはいかないのだろう。

「あなたは……陛下の側近なの?」

前髪で目を隠して彼を見れば、フッと微笑しながら答えた。

「まあ、そんなものかな。でも、俺の話はどうでもいい」

そう言葉を切って、突然彼は私の肩を押してベッドに組み敷く。

その衝撃でベッドがギシっと音を立てて沈んだ。

抵抗も出来ず、驚きで目を見張る私。

「どうして俺をちゃんと見ようとしない?」

責めるような口調で言って、ジェイは私の前髪をかき上げた。

「この綺麗な瞳を隠すのは罪だ」

深海の青の目が私の瞳を射抜く。

その眼差しの強さにドキッとした。
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