嘘つきな君
「――倒産っ!? 一昨日のニュースでやってた会社って、菜緒の会社だったのか」
「世界って狭いですよね~。私も今日菜緒から聞いて同じ事思いました」
私の前の席に座る二人がケラケラと話しているのをブスッとした顔で睨みつける。
どこからどう見ても、楽しんでいる様にしか見えない。
大学のサークルの先輩である菅野先輩は、私と仁美とも面識がある。
昔から人懐っこい性格で、学生の頃はよく一緒に飲みに連れて行ってもらった。
今思い返せば、大学時代はこの3人でいろんな所に遊びに行ったな。
働き出してから、なかなか会えなくなったけど、昔と変わらない様子を見て少し嬉しく感じる。
「笑い事じゃありませんっ!! この年でニートですよ!? お先真っ暗じゃないですか!!」
「あんた、世の中のニートの皆様に失礼よ」
「そうだぞ、菜緒。人生、仕事が全てじゃないぞ」
相変らず口元が笑っている2人。
昔からこうやって、慰めているのか分からないフォーローを私にくれるんだ。