嘘つきな君
不思議に思いながらも、手にじっとりとした汗をかきながら、不穏な空気に包まれた2人の姿を見守る。

瞬きの少ない瞳でじっと常務を見つめる、園部会長。

唇は、変わらず嘲笑うかの様に歪んでいる。

その姿を、鋭い瞳で淡々と見つめる常務。


「まぁ、それも昔の話し。――死んだ者に、遠慮する事はない。今は君の手に神谷があるのだ」


そう言った園部会長の言葉を聞いた瞬間、一瞬だけ常務の眉がピクリと動く。

その姿を見逃さなかった園部会長が、楽しそうに口元を持ち上げた。


「――遠慮などしないか。君から愛情というものを奪った張本人なんだからな」


馬鹿にした様に鼻で笑った後、もはや目も合わせなくなった常務の肩をポンっと叩いた園部会長。

そして。


「今後とも、長い付き合いを――常務」


最後に付け足した様にそう言って。

広い会場の中に姿を消した。


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