嘘つきな君
どこか現実離れした話に、まるでドラマの中の世界を見ているような気分になる。
それでも、それは現実に起こった話。
そして、その中で分かるのは、彼の両親は深く愛し合っていたって事。
「もちろん、大輔の父親は一族から勘当を受けた。跡継ぎは次男の現社長になり、その後、先代の後を継いだ」
「――」
「だけど、世の中うまくいかないもんだ」
「え?」
「あいつが5歳の時、あいつの両親は事故で死んだ。2人一緒にだ」
「うそ……」
「勘当を受けた神谷一族からの助けはない。母親も、元々両親とは死別していたらしく身寄りは無かった。天涯孤独となった2人の兄弟は、行く宛もなく、孤児院に預けられる事になった」
「――」
「だけど、その2人を引き取ったのは、神谷グループ現社長だった」
少しづつ繋がっていく糸。
バラバラだったものが、形になって現れていく。
どこか、悲しみを帯びながら。
「現社長には残念な事に子供が出来なかった。そんな時に舞い込んできたのが、正統な神谷の血を引く2人の兄弟。最高のギフトだ」
どこか冗談めかして言った先輩だけど、その目は笑っていなかった。