嘘つきな君
「興味がないわけじゃない。この会社も、どこかで映画の世界と繋がっている」
「――」
「俺が、もっと大きくする」
黒目がちの瞳が夜景を映して、キラキラと輝く。
淡いそんな光が彼の横顔にあたって、もう片方に影を作る。
光が強ければ、その影も強くなる。
彼の事だから、きっと全部自分で抱え込んでいるのだと思う。
だから、いつかその闇に飲み込まれてしまうんじゃないかと不安になる。
「無理、しないで」
堪らなくなって、そっと触れた頬に指を添わせる。
その熱を感じた彼の瞳が私を真っ直ぐに見つめる。
音を無くした世界に、2人落とされる。
ゆっくりと指を下ろすと、ふっと微かに口角を上げた彼。
端正な顔に灯りが灯る。
「お前に言われたらお終いだな」
「え?」
「足。まだ痛むくせに、大丈夫なフリしてるだろ」
意地悪くそう言われて、思わず苦笑いが漏れた。
本当に、彼には隠し事出来ないと思って。