嘘つきな君
◇
「お疲れ様~」
頼んでいたワインがようやく来た所で、カツンとグラスをぶつける。
目の前では、相変わらず世の中のトレンドを真っ先に取り込んだような、お洒落な仁美。
「ぷはーっ。うまいっ!!」
「ねぇ、それビールの時に言う言葉じゃない?」
グイッと口元を拭った仁美に、クスクスと笑う。
それでも、優雅に頬杖をつきながらワインを飲む姿はやっぱり綺麗だ。
「一日の終わりに飲むお酒ほど、美味しいものはないね」
「仁美、昔から酒豪だもんね」
「あんたも同じくらいザルでしょ」
運ばれてきたチーズを口の中に放り込んで、お互いの近況を報告をする。
つい最近まで海外で仕事をしていた仁美と会うのは久しぶりだ。
「はい、これお土産」
「うわっ、なんでこんなデカイやつなの」
取材でタイに行っていたらしい仁美。
なんだか不気味な象の置物を、重たそうにテーブルの上に置いた。
「あんた欲しがってたでしょ。そういう置物」
「いや、限度ってもんがあるでしょ」
「え~」
「ん、まぁ、いいや。ありがと」
顔くらいある大きさのそれを受け取って笑う。
それでも、目の部分に何か宝石でも入っているのか、怪しく光っている。
わぁ……普通に不気味だ。