嘘つきな君
「私は仮面をつけた、あなたなんていらない」
「――」
「欲しいのは、本当のあなただけ。本物の神谷大輔だけ」
有り余る程の、お金も。
羨む程の、地位も。
何もいらない。
ただ、あなたの側にいたい。
「好きよ」
「――」
「あなたが大好き」
大好き。
心から、好き。
息をする度に。
一日が過ぎる度に。
もっともっと、あなたを好きになる。
こんなにも、時間が進むのが怖いと思った事はない。
こんなにも、時間が止まってほしいと思った事はない。
「忘れないで」
擦れた声が、落ちる。
しがみつく場所を失って、落ちる。