嘘つきな君
私の言葉を聞いて、優しく微笑んだ常務。
そして、自分の頬にある私の手の上に、そっと自分の手を重ねた。
「忘れない」
「――」
「ずっとだ」
ねぇ。
私達はきっと、幸せ者なんだよ。
こんなに互いを愛する事ができたんだから。
こんなにも、泣けるほど愛おしいと思えたんだから。
世界中のどれだけの人が、こんな人と出会えるのかな。
心から好きだと思える人に、出会えるのかな。
互いに何も言わず見つめ合っていると、不意にバルコニーの向こうから風が一筋流れ込んできた。
その瞬間、髪を巻き上げ、窓の両側にあったカーテンを揺らす。
まるで私達を隠すように、天井まで届いていたカーテンが揺れる。
それに隠れる様に、そっと唇を重ねた。
「好きだ」
涙が出る程、幸せな言葉を添えて。