嘘つきな君
唇を離した瞬間、見つめ合って微笑みあう。
どうにもこうにも、幸せで。
「ふふっ、私達かくれんぼの天才かもしれないですね」
「そうかもな」
それでも、足りなくて再び隠れながらキスを交わす。
チュッと小さく音を立てて、何度も何度もキスをする。
すると。
「よし。踊るか」
「え?」
「来い」
突然、まるで子供の様に目を輝かせたと思ったら、私の返事を聞く事もなく勢いよく私をカーテンの向こう側に連れ出した彼。
そして、私の腕を引いたまま再び会場の中へと舞い戻った。
煌めくシャンデリアが私達を照らす。
色鮮やかな、ドレスが大きく広がる。
穏やかなバイオリンの音がゆっくりと流れだす。
会場の中心まで彼は困惑する私を連れてきた。
もちろん、周りのギャラリー達も何事かと目を瞬いている。
「じょ、常務! みんな見てますっ」
「見せつけてるんだ」
「え?」
そう言うや否や、突然私に向き直った彼。
そして、楽しそうに一度笑った。