嘘つきな君
あの日――。
会社が倒産したと同期から聞いて、急いでテレビを点けたら、いつも通っていた会社がテレビに映っていた。
よくニュースで見るような光景で、カメラを持ったマスコミの人が大勢いた。
訳が分からず会社に電話するも一向に繋がらず、集めた情報をまとめると、こうなっていた。
社長がインサイダー取引で倒産して、従業員全員解雇って、嘘でしょ……。
まるで漫画の世界の様な展開。
少しづつだけど確実にキャリアを積んできて、ようやく自分のポジションを得た時期だったのに……。
「なにがインサイダー取引よっ!! 社長の馬鹿野郎っ!!」
「まぁまぁ。私も知り合いの伝手で仕事先探してあげるから」
「仁美~」
「仕方ないから、うちにも泊めてあげる。家賃代勿体ないでしょ」
「助かる~」
なんだかんだ言って、昔からいつも助けてくれる仁美。
ズバズバと包み隠さず何でも口にするけど、いつも私の事を想って言ってくれてるんだ。
「仁美はドラえもんだよぉ~」
「止めてよ。私あんなにスタイル悪くないんだけど」
綺麗にメイクされた目で睨みを利かせる仁美にケラケラと笑う。
ようやく食欲が湧いてきた私は、テーブルに並べられた好物達を一気に口に運んだ。
「今日は私の奢り。二軒目も行くでしょ?」
「もちろん! さすが仁美様~」
――働きだして4年。
ようやく内定が貰えた会社も。
呆気なく、目の前から消えた。