嘘つきな君
不機嫌そうに息を吐いた彼に、呆れた口調で言葉を返す。
「どうせキツイ事でも言って、泣かせたんじゃないんです?」
「んなわけねーだろ」
「いいえ。十分ありえる話だと思いますけど。思い当たる節があるんじゃないです?」
2人っきりだと分かった瞬間、少しだけ彼との壁がなくなる。
彼も同じなのか、普段社内では見せない様な剣幕で豪快に舌打ちをした。
「――昨日、付き合ってくれって言われた」
「わぁお」
「断ったら、これだ」
深い溜息と共に、眉間に手を当てた常務。
その言葉に、微かに胸に何かが引っかかる。
徐々に視線が無意識に下がっていく。
だけど、そんな姿を見られまいと、ガラス張りの窓の外を興味もないのに覗き込むフリをした。
「モテるんですね~」
「会社は恋愛の場所じゃない。というか、フラれたぐらいで会社を辞めるな」
「女心を分かってないですね、常務は」
「分かりたくもないね」
酷くご機嫌斜めな彼。
初めて会った時と同じくらい、毒舌だ。
そんな中でも、デスクに置かれた書類に目を通して、高速で判子を押している。
「どうせキツイ事でも言って、泣かせたんじゃないんです?」
「んなわけねーだろ」
「いいえ。十分ありえる話だと思いますけど。思い当たる節があるんじゃないです?」
2人っきりだと分かった瞬間、少しだけ彼との壁がなくなる。
彼も同じなのか、普段社内では見せない様な剣幕で豪快に舌打ちをした。
「――昨日、付き合ってくれって言われた」
「わぁお」
「断ったら、これだ」
深い溜息と共に、眉間に手を当てた常務。
その言葉に、微かに胸に何かが引っかかる。
徐々に視線が無意識に下がっていく。
だけど、そんな姿を見られまいと、ガラス張りの窓の外を興味もないのに覗き込むフリをした。
「モテるんですね~」
「会社は恋愛の場所じゃない。というか、フラれたぐらいで会社を辞めるな」
「女心を分かってないですね、常務は」
「分かりたくもないね」
酷くご機嫌斜めな彼。
初めて会った時と同じくらい、毒舌だ。
そんな中でも、デスクに置かれた書類に目を通して、高速で判子を押している。